結婚式の人気のシーズンは春と秋。暑い夏と寒い冬、そして6月はジューンブライドとはいえ、梅雨の時期は避けられる傾向にあります。
天候も良く、温暖な季節は人気のガーデンチャペルにもぴったり。
ゲストをお招きする事を考えると、平日よりは土日や祝日に日取りを決める方も多いですよね。
国民の祝日でもある春分の日と秋分の日はお彼岸の時期でもあり、お墓参りに行く風習がありますが、お彼岸の時期に結婚式を行ってもいいのでしょうか?
また、既にお彼岸に結婚式の日程を決めてしまった場合は、どのような注意点があるのでしょう?
お彼岸の意味とは?期間はいつで、何をするの?
「彼岸(ひがん)」とは仏教用語からきたもので、こちら側の世界にあるものが六波羅蜜(ろくはらみつ)という修行に励むことであちら側の悟りの世界、「彼岸」の境地に達することができるというもの。
春分の日、秋分の日を挟んで前後3日の7日間を彼岸と呼び、この期間に仏様の供養をすることで極楽浄土へ行けるという考えに由来するといわれています。
なぜ春分の日と秋分の日なのか、という理由はいくつかあるようですが、昼と夜の長さが同じになる春分・秋分は、仏教で重んじられる中道(楽や苦、有や無にとらわれない立場)の象徴とされること、太陽が真西に沈むこと(西は仏様がいる極楽浄土の世界)などがあげられます。
日本のお彼岸は独自の行事で、春分の頃には豊作を願い、秋分の頃には収穫を感謝する風習と仏教の教えが結びついて今に至っていると考えられます。
国民の休日でもある春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ことを、秋分の日は「祖先をうやまい、亡くなった人々をしのぶ」ことを趣旨として制定されていますね。
お彼岸とはいつからいつまでで、何をするの?
春分と秋分の日のそれぞれ前後3日間がお彼岸ですが、日付は決まっていません。
どちらも昼夜の長さがほぼ等しい日(実際日本では昼が14分ほど長い)ですが、国や地域の時差により1日の違いが出ます。
日本では春分の日は3月20日または3月21日になることが、秋分の日は9月22日または9月23日になることが多いです。
春分の日、秋分の日は元々歴代の天皇、皇后、皇親の霊を祭る儀式がありました。また仏教各派では彼岸会法要が行われ、この日にお墓参りをする人が多いです。
最近ではお墓参りをされる方も少なくなってきましたが、お彼岸の期間はお墓参りをしてご先祖様に想いを寄せ、供養することが一般的です。
お彼岸の結婚式は縁起が良くない?避けるべき?
昔はお彼岸=仏事のため結婚などの祝い事を避けるという考え方があったようですが、現代では気にされる方も多くはないようです。
地域によっては、結婚式などのお祝い事には縁起が悪いと言われる方もいるかもしれませんが、仏教的にお彼岸の時期に結婚式を挙げることは問題ないそう。
特に9月はシルバーウィークとなるため、この期間を利用して結婚式を挙げそのまま新婚旅行へ、というケースも増えています。
ただし、気を付けたいのは”お彼岸だから良くない”のではなく、人が忙しい時期に結婚式に招くのは迷惑になる、という事。
年配の方であれば、お彼岸の時期にお墓参りに行かれる方は少なくないでしょうし、若い方であれば大型連休に旅行に行く予定をたてる人もいるでしょう。
田舎の方であれば、お墓参りのために遠方の家族が泊りがけで来る、という事情もあるでしょう。
お彼岸に限らず、お盆や連休はゲストの都合も考慮して結婚式を行うのも、招待する側のマナーです。
ゲストが初盆や初彼岸であれば、結婚式を欠席することになるでしょうし、早割などで連休の3ヶ月前から旅行の飛行機を予約した方は結婚式のほうを欠席することになる可能性が高いですよね。
式場の予約、親や本人の体調や仕事の都合など、どうしてもその日でなければ難しい状況であれば、まずは両家で話し合って納得のうえ、日取りを決めるといいでしょう。
二人の思い出の日だから、記念日だから、というのであれば、その日に入籍し、披露宴を後日にすることも検討してはいかがでしょうか。
逆に、事前に招待客の都合などがリサーチできるなら、心置きなくお彼岸に結婚式をあげることも可能です。
実際、式場でもお彼岸の結婚式はなくはないそう。
予約が少ない場合はブッキングもなく、ゆったりとした披露宴があげられるメリットもあります。
お彼岸の結婚式は、招待客へ配慮して
お彼岸に結婚式を挙げるのは縁起が悪いわけではないのですが、ゲストへの配慮に欠けていると思われる方もいらっしゃるかもしれません。
親族ならば「お彼岸を知らないんじゃないか」「連休の披露宴は非常識なのでは」と心配してしまうかもしれませんね。
結婚はその家の在り方も反映されます。結婚する当人同士が知らなかった場合でも、その家の品格を疑われることになりかねません。
お彼岸に披露宴を行う場合は、どうしてもこの日でなければいけなかった理由を伝えるのもマナーです。
招待状には「お彼岸のお忙しい時期に申し訳ありません。諸事情によりこの日に結婚式を挙げることになりました」などの一言を添え、披露宴前にも司会の方から少し付け加えてもらうと、印象もよくなります。
特に年配の親族、主賓や上司にはきちんと伝えておくといいでしょう。
また、シルバーウィーク期間中の場合は、遠方からのゲストはチケットの手配もありますので、通常よりは早めに招待状を送付するのがおすすめです。
まとめ
現代ではお彼岸に結婚式をする方もいらっしゃいます。縁起が悪いということもありません。
結婚式や両家の顔合わせなど、お彼岸に行う場合は、両家の都合が良いかどうかという判断になってきます。
せっかくの晴れの舞台です。
どうしてもその日でなければ都合が良くない場合は、ゲストへの配慮を考えて、後々「なんでこんな日に決めたんだろう」などと影で噂されないように注意しましょう。